
飲食店や給食施設、食品工場の厨房において、避けて通れないのが「グリストラップ(油脂分離槽)の清掃」です。
これを怠ると、悪臭や害虫の発生だけでなく、配管の詰まりによる浸水や、最悪の場合は営業停止という甚大なリスクを招きます。
本記事では、厨房の衛生環境を改善するために必要な「必須道具5選」と、効率的なメンテナンス術、そして自社清掃の限界について徹底解説します。
目次
1. なぜグリストラップ清掃には「正しい道具」が必要なのか?
グリストラップは、排水に含まれる油脂を分離する重要な装置ですが、その清掃は「きつい・汚い・臭い」の3K作業になりがちです。
正しい道具を揃えることには、以下の3つの大きなメリットがあります。
- ・作業時間の短縮: 適切な道具を使えば、1回あたりの清掃時間を大幅に削減できます。
- ・心理的・身体的負担の軽減: スタッフの「やりたくない」という抵抗感を減らし、腰痛や衣服の汚れを防ぎます。
- ・衛生・法令遵守: 確実な清掃により、悪臭の発生や法的基準値を超える汚水の流出を防ぎます。
2. グリストラップ清掃を効率化する必須道具5選
自社でメンテナンスを行う際に、最低限揃えておきたい「5つの神器」を紹介します。
①【油脂回収】すくい上げネット・スクーパー
第1槽のバスケットを通り抜けた微細なゴミや、水面に浮いた「スカム(油の塊)」を回収します。
柄の長いものを選びましょう。
短いお玉などで代用すると、腰への負担が大きく、作業者の服が汚れる原因になります。
②【沈殿物除去】長柄の泥上げシャベル
底に溜まった重い泥状の沈殿物を掬い上げます。
先端が四角い「泥上げ専用シャベル」なら、槽の角までしっかり泥を掻き出すことができます。
③【配管ケア】業務用中性洗剤・バイオ製剤
清掃の仕上げに、油の再固着を防ぐために使用します。
微生物が油を分解し続ける「バイオ製剤」を併用すると、悪臭の抑制効果が長持ちします。
④【衛生管理】除菌・消臭スプレー
蓋の周りや縁のケアに使用します。
汚れを落とした後にアルコール系や塩素系のスプレーを散布し、チョウバエなどの害虫を寄せ付けない環境を作ります。
⑤【安全対策】保護具一式(手袋・エプロン・長靴)
作業者を菌や汚れから守るために必須です。
- ・耐油ロング手袋: 肘まで隠れるタイプ
- ・厚手のゴムエプロン: 跳ね返りを防ぐ
- ・耐油長靴: 滑り止めが効いたもの
3. 【時短・確実】清掃スケジュールとメンテナンス術
一度にすべてを清掃しようとするのではなく、頻度を分けることが継続のコツです。
| 清掃箇所 | 頻度 | 作業内容 | 目的 |
|---|---|---|---|
| バスケット(第1槽) | 毎日 | 溜まった調理屑や残飯を捨てる | 腐敗と悪臭の防止、配管詰まりの予防 |
| 浮遊油脂(スカム) | 週に2〜3回 | 水面に浮いた油を網ですくう | 油脂の流出防止、害虫の発生抑制 |
| 沈殿物(汚泥) | 月に1回 | 底に溜まった重い泥を掻き出す | 槽の容量確保、水質汚濁の防止 |
| トラップ管(出口) | 2〜3ヶ月に1回 | ブラシで管内部を洗浄する | 排水不良の解消 |
4. 自社清掃の限界とプロに任せるべき「境界線」
どれだけ道具を揃えても、自社清掃には物理的・法的な限界があります。
自社清掃 vs 専門業者(名鉄クリーニング) 比較表
| 比較項目 | 自社メンテナンス(道具使用) | プロの専門清掃 |
|---|---|---|
| 清掃範囲 | 表面に見える部分のみ | 配管の奥、トラップ管の裏まで徹底洗浄 |
| 使用機材 | 手作業(シャベル、ネット) | 高圧洗浄機、強力バキューム車 |
| 廃棄物処理 | 一般ゴミとしての排出は違法 | 産業廃棄物として適切に処理、マニフェスト発行 |
| 仕上がり | 表面的な汚れ落とし | 悪臭の根本解決、排水能力の回復 |
| スタッフ負担 | 重労働、離職のリスク要因 | 負担ゼロ、専門業務に集中できる |
プロに任せるべき3つのサイン
- ・清掃してもすぐに悪臭が戻る: 配管の奥で油が固着(石鹸化)している証拠です。
- ・水の流れが悪い: 既に配管が閉塞しかけており、緊急対応が必要な状態です。
- ・産廃処理の対応ができていない: 汚泥を一般ゴミで捨てている場合、不法投棄とみなされるリスクがあります。
5. まとめ:清潔な厨房を維持するために
グリストラップ清掃を効率化する鍵は、「日々の道具を活用した小まめな手入れ」と「定期的なプロによる根本洗浄」を組み合わせたハイブリッド管理です。
適切な道具を揃えることで、現場の負担は確実に減ります。
しかし、蓄積された頑固な汚れや、法律に則った産廃処理はプロの領域です。
「自社での清掃に限界を感じている」「最近、厨房が臭う……」そんな時は、ぜひ一度名鉄クリーニングへご相談ください。
現場の状況に合わせた、最適な清掃プランをご提案いたします。

