
飲食店やクリニック、介護施設を運営する企業にとって、厨房や水回りの衛生管理は頭の痛い問題です。
特に「グリストラップ(油脂阻集器)」の清掃は、強烈な悪臭や汚れを伴うため、つい後回しにしたくなる作業の筆頭でしょう。
コスト削減のために「100均のグッズでなんとか綺麗にできないか?」と考えるのは、経営・管理の視点として非常に自然なことです。
しかし、結論から申し上げますと、100均グッズで対応できるのはあくまで「日常的な表面の清掃」までです。
法人として施設を適切に維持し、法的リスクやスタッフの負担を回避するためには、プロの清掃業者による定期的なメンテナンスが欠かせません。
本記事では、自社清掃の限界と、賢い外注判断の基準について詳しく解説します。
目次
グリストラップ清掃は100均グッズでどこまでできるのか?
100均ショップに行けば、掃除に役立ちそうな道具が数多く並んでいます。
結論として、これらは「毎日行うべき軽微なメンテナンス」には非常に有効なツールとなります。
日常メンテナンスに役立つ100均アイテムの活用法
- 1.水切りネット(ストッキングタイプ):第一槽のバスケットに装着することで、細かい残飯やゴミをキャッチし、後続の槽に汚れが流出するのを未然に防ぎます。
- 2.プラスチック製スクレーパー:蓋の裏や縁にこびりついた石鹸状の油脂を削り取る際に重宝し、金属製と違って本体を傷つける心配がありません。
- 3.長柄のブラシやスポンジ:手の届きにくい隅の汚れをかき出すために使用し、100均であれば汚れたらすぐに買い替えられるため衛生的な管理が可能です。
これらの道具を使えば、日々の「見た目の清潔感」は維持できます。
しかし、グリストラップの本来の役割である「排水から油脂を分離・沈殿させる機能」を100%保つには、これだけでは不十分です。
底に溜まった汚泥や、配管内部の蓄積汚れは、100均の道具では決して取り除くことができないからです。
【比較表】自社清掃(100均活用)vs プロの清掃業者の違い
「自分たちで頑張る」のと「プロに任せる」のでは、具体的にどのような差が出るのでしょうか。
以下の表に、コスト・質・リスクの観点からまとめました。
| 比較項目 | 自社清掃(100均グッズ活用) | プロの清掃業者(外注) |
|---|---|---|
| 初期費用・道具代 | 数百円〜数千円(非常に安価に抑えられる) | 0円(※見積もりや現地調査が無料の業者が多い) |
| 清掃の範囲と質 | 表面のゴミ・油脂除去(応急処置的な清掃) | 底部の汚泥吸引、配管洗浄(根本的な解決) |
| 作業時間と労力 | 1〜2時間(スタッフが重労働を強いられる) | 1〜2時間(専門機材で効率的に完了する) |
| 法的リスク | 汚泥の廃棄方法を誤ると罰則の対象となる | マニフェスト発行により法令を完全遵守できる |
| 設備の持続性 | 配管詰まりのリスクを完全には排除できない | 定期清掃により設備の寿命を延ばすことが可能 |
| スタッフの負担 | 悪臭や汚れによる精神的・肉体的苦痛が大きい | スタッフは本業に専念でき、離職リスクを軽減 |
この比較表から分かる通り、自社清掃は「目先のキャッシュ」を抑えることには長けていますが、中長期的な修繕コストや法的リスク、そして何より「スタッフの生産性」という目に見えない資産を削っている可能性があります。
特に法人の場合は、単なる掃除ではなく「設備管理」という視点が必要です。
企業が知っておくべきグリストラップ清掃の「限界」と「法令」
なぜ自社清掃だけで済ませてはいけないのでしょうか。
そこには、物理的な清掃の限界だけでなく、法人が遵守すべき「法令」の壁が存在します。
放置や不完全な清掃が招く致命的なリスク
100均の道具で表面だけを綺麗にしていても、第2槽・第3槽の底部には「汚泥(スカム:油脂と汚れが固まったもの)」が確実に蓄積していきます。
これを放置すると、以下のような深刻な事態を招きます。
- ・強烈な悪臭によるクレーム:酸化した油脂の臭いは非常に強く、クリニックの患者様や近隣住民からの苦情、ブランドイメージの低下に直結します。
- ・害虫(ゴキブリ・チョウバエ)の発生:汚れは害虫にとって絶好の餌場であり、一度発生すると完全な駆除には多額の費用が必要になります。
- ・配管の完全閉塞と逆流:油脂が石鹸のように固まり配管を塞ぐと、営業停止を伴う高額な緊急排水管洗浄が必要になります。
廃棄物処理法と下水道法への対応
グリーストラップ清掃で回収された汚泥は、法律上「産業廃棄物」に分類されます。
これを一般ゴミとして捨てたり、そのまま下水に流したりすることは、廃棄物処理法違反となります。
法人の場合、不適切な処理が発覚すると重い罰則が科されるだけでなく、社名が公表されるなどの社会的制裁を受けるリスクもあります。
プロのグリーストラップ清掃業者であれば、適切に処理したことを証明する「マニフェスト(管理票)」を発行するため、コンプライアンスを完全に守ることができます。
スタッフ任せの清掃が「逆にコスト高」になる理由
特にクリニックや介護施設などで「清掃はスタッフが持ち回りで行っている」というケースをよく見かけます。
しかし、これは経営学的な視点で見ると、非常に「高くつく」選択です。
精神的な疲弊による「隠れた離職リスク」
グリストラップ清掃は、凄まじい臭いと汚れを伴う過酷な作業です。
本来、医療や介護、接客といった専門業務のために採用されたスタッフに対し、このような過酷な作業を日常的に強いることは、スタッフのモチベーションを著しく低下させます。
「こんな仕事をするためにここに入ったわけではない」という不満が蓄積し、優秀な人材が離職してしまうコストは、外注費の比ではありません。
本業の機会損失と生産性の低下
スタッフが清掃に費やす1時間は、決して「無料」ではありません。
その1時間を、患者様への丁寧な対応や、事務作業の効率化、あるいはスキルアップのための研修に充てていたとしたら、どちらが組織にとって利益になるでしょうか。
また、清掃の専門家ではないスタッフが行う掃除では、汚れを落としきれずにトラブルが発生する可能性が高く、結果的に修理費用が発生するという「負のスパイラル」に陥りがちです。
プロに任せることで、スタッフは笑顔で本来の業務に専念でき、施設全体の質が向上するのです。
グリストラップだけじゃない!オフィスやクリニックで外注すべき清掃箇所
環境維持のためにアウトソーシングを検討すべきなのは、グリストラップだけではありません。
空調や床など、施設全体の清潔感に関わる箇所も、プロの技術が光る領域です。
エアコン清掃(業務用)の頻度とメリット
エアコン清掃の頻度は、一般的にオフィスやクリニックでは1〜2年に一度が推奨されます。
特に厨房近くや待合室のエアコンは、油脂やホコリを吸い込みやすく、内部でカビが繁殖しやすい傾向にあります。
プロによる業務用のエアコン清掃の分解洗浄を行うことで、カビによる健康被害を防ぐだけでなく、空気抵抗が減ることで電気代の節約にも繋がります。
エアコン清掃の費用はかかりますが、電気代の削減分で数年で元が取れるケースも少なくありません。
総合的なオフィス清掃・施設清掃の重要性
床のワックス掛けやカーペット洗浄などの「オフィス清掃」も、自社で行うには限界があります。
- ・横浜・東京などでのオフィス清掃の地域性:都市部ではビル管理法などの規制もあり、専門業者による定期的な清掃が一般的です。
- ・エアコン清掃の相場の把握:複数の箇所をまとめて依頼することで、1箇所あたりのコストを抑える「パックプラン」を提示してくれる業者も多く存在します。
これらの箇所をプロに一括して任せることで、施設の資産価値を維持し、常に「選ばれるクリニック・オフィス」であり続けることが可能になります。
失敗しない清掃業者の選び方と費用相場
清掃の外注を決めた際、次に重要なのが「どの業者に頼むべきか」という業者選定の基準です。
信頼できる業者を見極めるチェックポイント
- ・産業廃棄物収集運搬業の許可:グリストラップの汚泥を運ぶには自治体の許可が必要です。無許可業者に依頼すると、排出者である貴社も罰せられるため、必ず確認しましょう。
- ・明確な見積もりと実績:「グリーストラップ清掃 価格」が不透明な業者は避け、事前に現地調査を行い、詳細な見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。
- ・柔軟な対応力:クリニックであれば「診療時間外」や「土日」の作業が可能か、横浜や東京、大阪など各地域の特性を理解しているかが重要です。
一般的な費用相場(目安)
| 清掃内容 | 費用相場(目安) |
|---|---|
| グリーストラップ清掃 | 1回あたり 20,000円〜50,000円(槽の容量や汚れ具合による) |
| 業務用エアコン清掃 | 1台あたり 25,000円〜35,000円(複数台割引がある場合が多い) |
| オフィス清掃(定期) | 月額 30,000円〜(頻度や広さによる) |
これらはあくまで目安ですが、自社でスタッフが数時間かけて行うコスト(人件費+リスク)と比較すれば、非常に合理的な投資であると言えます。
よくある質問(FAQ)
Q. グリストラップの清掃をサボると、具体的にどんな法的罰則がありますか?
A. 汚泥を適切に処理せず不法投棄した場合、廃棄物処理法に基づき「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金」が科される可能性があります。法人の場合はさらなる重罰の対象となることもあり、コンプライアンス遵守は絶対です。
Q. エアコン清掃の勘定科目は何になりますか?
A. 一般的には「修繕費」または「衛生費(清掃費)」として処理されます。定期的なメンテナンスは設備の維持管理に該当するため、全額経費として計上可能です。
Q. 100均のネットを使っていますが、それでも業者に頼む必要はありますか?
A. はい、必要です。ネットは大きなゴミを止めるためのものであり、水に溶けた油脂や、ネットを通り抜けた微細な汚泥は必ず底に溜まります。これらはプロの吸引機でなければ除去できません。
Q. どのくらいの頻度で業者に清掃を依頼すればいいですか?
A. 業態にもよりますが、一般的な飲食店や厨房を持つ施設であれば「3ヶ月に一度」が、配管詰まりや悪臭を防ぐための最も理想的なスパンです。
まとめ:適切な外注判断が、清潔な施設とスタッフの笑顔を守る
グリストラップ清掃における100均グッズの活用は、日々の衛生意識を高める素晴らしい一歩です。
しかし、法人としてのリスク管理、スタッフの労働環境の改善、そして設備の長寿命化を考えるならば、プロによる定期的な清掃を「経営インフラ」として組み込むべきです。
「スタッフが嫌がる掃除」をプロに任せることで、職場環境が改善され、結果として患者様やお客様へのサービス向上に繋がります。
清潔な空間は、それ自体が企業の信頼の証となります。
私たち名鉄クリーニングでは、グリストラップ清掃からエアコン清掃、オフィス全体の定期清掃まで、お客様のニーズに合わせた最適なプランをご提案しています。

