
お気に入りのニットを自宅で洗ったら一回りサイズが縮んでしまった、セーターを洗うたびに袖が伸びてしまいもう着られなくなってしまった——
そんな経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。
ニットは「水・摩擦・熱」の3つの要素に弱く、洗い方を一歩間違えると元に戻らない縮みや型崩れを起こしてしまう、とてもデリケートな衣類です。
本記事では、ニットを自宅で縮ませない洗い方について、洗濯表示の見分け方から手洗い・洗濯機の手順、素材ごとの洗濯頻度、毛玉や縮みのトラブル対処、シーズンオフの保管まで、クリーニング店の視点でまるごと解説いたします。
「自分で洗えるかどうか」の判断軸もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
ニットは自宅で洗える?
洗濯表示の見分け方
ニットを自宅で洗えるかどうかは、衣類の内側についている「洗濯表示(ケアラベル)」と「素材」の2点で判断してください。
洗濯表示を確認しないまま洗濯機に入れてしまうことが、ニットの縮みや色落ちのもっとも多い原因です。
洗濯表示は2016年12月1日から現行の国際規格に統一されており、それ以降に購入された衣類にはこのマークが付いています。

ニットの洗濯表示でよく見られるのは、次の3つです。
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| 表示マーク | 意味 | 推奨ケア方法 |
|---|---|---|
| 桶に数字 (30・40など) |
洗濯機OK (数字は水温上限) |
おしゃれ着・手洗いコース で弱水流 |
| 桶に手を入れたマーク | 手洗いのみ可 | 30℃以下のぬるま湯で押し洗い |
| 桶に×印 | 家庭での水洗い不可 | クリーニング店へ依頼 |
桶マークの下に横線が描かれている場合は、線の本数が多いほど弱い水流で洗う必要があることを意味します。
また、桶マークが付いていても、ウールやカシミヤなどの動物性繊維のニットは手洗いがもっとも安心です。
動物性繊維は、水と摩擦が加わると繊維表面のうろこ(スケール)が絡み合い、フェルト状に縮んでしまう性質があるためです。
縮ませないニットの洗い方
(手洗い・洗濯機)
ニットの縮みを防ぐコツは、
- 水温は30℃以下
- 中性洗剤を使う
- 摩擦を加えない
- 脱水時間を短くする
の4つです。
手洗いと洗濯機洗いのどちらの場合でも、この4つの鉄則は共通します。
手洗いの場合
(デリケートな素材におすすめ)
- 洗剤液をつくる:
洗面器に30℃以下のぬるま湯を張り、おしゃれ着用の中性洗剤を規定量溶かします - 押し洗い:
ニットをたたんで沈め、両手で20〜30回やさしく押します
こすったり揉んだりは厳禁です - すすぎ:
水を入れ替え、泡が出なくなるまで2〜3回繰り返します - タオルドライ:
乾いたバスタオルでニットを挟み、上から押して水気を吸わせます
雑巾のように絞らないでください
洗濯機の場合
(手洗い表示OK・洗濯機OKの衣類)
- 裏返してネットに入れる:
洗濯ネットは1枚につき1着、サイズはぴったりのものを選びます - おしゃれ着コースを選ぶ:
「ドライ」「手洗い」「おうちクリーニング」など弱水流コースに設定します - 脱水は30秒〜1分:
長時間の脱水は型崩れと深いシワの原因になります
洗剤は必ず中性のおしゃれ着用洗剤を使ってください。
一般的な弱アルカリ性洗剤は洗浄力が強い反面、ウールなどの動物性繊維を傷め、縮みの原因になります。
素材別のお手入れと洗濯頻度の目安
ニットの洗濯頻度は「素材」よりも、「どのように着るか(着用シーン)」で決めるのが基本です。
毎回洗うと生地が傷んでしまい、反対に洗う頻度が少なすぎると皮脂や汗が虫食い・黄ばみの原因になってしまいます。
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| 素材 | 自宅洗い | 洗濯頻度の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ウール | 手洗い推奨 | 3〜5回 着用ごと |
フェルト化に注意、必ず中性洗剤 |
| カシミヤ | 手洗い推奨 | 3〜5回 着用ごと |
高価な素材はクリーニング推奨 |
| アクリル | 洗濯機可 | 2〜3回 着用ごと |
静電気で毛玉ができやすい |
| コットン | 洗濯機可 | 1〜2回 着用ごと |
縮みは少なめ、汗を吸いやすい |
| シルク | 手洗いor不可 | 表示確認必須 | 色落ち・色移りに注意 |
| アンゴラ ・モヘア |
クリーニング 推奨 |
― | 自宅洗いは 抜け毛と縮みのリスク大 |
※フェルト化とはウール(羊毛)などの繊維が、水分・熱・摩擦によって絡み合い、フェルト状の硬い生地に変化する現象です。
ニットを着るシーン別の頻度の目安は、アウターとして着る場合は3〜5回ごと、ニットの下にインナーを着る場合は5〜7回ごと、肌に直接触れる場合は毎回です。
ニットが汗や皮脂を吸ったままシーズンを越してしまうと、虫食いや黄ばみの原因になるため、衣替え前は素材を問わず必ず洗ってから収納してください。
ニットのトラブル別対処
(縮み・毛玉・伸び)

ニットの軽度なトラブルであれば、応急処置で復活できる場合もあります。
名鉄クリーニングにも「自宅でニットを縮ませてしまったのですが、何とかなりますか」というご相談が毎冬寄せられます。
ここでは「縮み」「毛玉」「伸び」の3つのトラブル別に、対処方法をご紹介します。
ニットが縮んでしまったとき
縮みが軽度であれば、応急処置で改善する可能性があります。
30℃程度のぬるま湯にヘアトリートメント(リンスでも可)を5プッシュ程度溶かし、ニットを15〜30分ほどつけ置きしてみてください。
トリートメントのシリコン成分が繊維のすべりを良くしてくれるため、絡み合った繊維がほぐれやすくなります。
軽くすすいでタオルドライした後は、平干ししながら手で元のサイズに整えてあげましょう。
ただしこの方法は縮みを完全に修復するものではなく、フェルト化が進行してしまったニットは元には戻りません。
あくまで「繊維のすべりを良くして形を整えやすくする」応急処置として行っていただき、大切な一着は無理をせずクリーニング店へご相談ください。
ニットに毛玉ができてしまったとき
毛玉ができてしまったときは、毛玉取り器を生地に押し付けず軽く滑らせるのがコツです。
カシミヤなどの繊細な素材には、繊維を整えながら毛玉を絡め取れる毛玉取りブラシが向いています。
指で毛玉をむしるのは、新たな毛羽立ちを招いてしまうため避けてください。
毛玉は摩擦が原因で発生するため、着用後にブラッシングをして繊維の流れを整えておくと、毛玉ができる前の段階でケアできます。
ニットの袖や首元が
伸びてしまったとき
ニットの袖や首元が伸びてしまった場合は、スチームアイロンを生地から数センチ浮かせて蒸気を当て、手で軽く整えながら平干しすると改善することがあります。
ただし完全には戻らないケースも多く、深刻な型崩れはクリーニング店へご相談ください。
特にネックラインは一度伸びてしまうと元に戻すのが難しいため、保管時は必ずたたんで収納することをおすすめします。
やってはいけないNG洗濯
ニットの縮みや色落ちの多くは、洗濯時のちょっとした「やってはいけない行動」が原因で起きてしまいます。
下の表にまとめたNG行動は、お気に入りのニットを長く着るためにもすべて避けてください。
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| NG行動 | 起きるトラブル |
|---|---|
| 乾燥機にかける | 熱で繊維が縮みフェルト化する |
| お湯(40℃超)で洗う | ウールが急激に縮む |
| こすり洗い・揉み洗い | 繊維が絡み毛玉・縮みの原因に |
| ハンガーで干す | 水分の重みで肩・袖が伸びる |
| 弱アルカリ性洗剤を使う | 動物性繊維を傷め色落ちを招く |
| 長時間脱水(1分超) | 遠心力で型崩れと深いシワが発生 |
| 直射日光に当てて干す | 色あせ・変色・風合いの低下を招く |
多くのニットは乾燥機の熱や回転で縮みやフェルト化を起こしやすいため、洗濯表示にタンブル乾燥可のマークがない限り、乾燥機の使用は避けてください。
ウール100%のセーターが子供服サイズまで縮んでしまったというご相談で、もっとも多い原因がこの乾燥機の使用によるものです。
シーズンオフのしまい洗いと
保管のコツ

ニットをシーズン終わりに「一度しか着ていないから」とそのまま収納してしまうのは禁物です。
目に見えない汗や皮脂が残っていると、長期保管している間に虫食い・カビ・黄ばみの原因になってしまいます。
ニットのしまい洗いは、湿度が低い晴れた日の午前中に済ませるのがおすすめです。
愛知県を含む東海地方の梅雨入りは平年で6月上旬頃なので、湿度が高くなる前のゴールデンウィーク前後を目安に衣替えを始めると安心して保管できます。
ニットを保管するときは、ハンガーにかけず、たたんで収納してください。
ハンガーにかけ続けてしまうと、ニットの自重で肩や袖が伸びてしまいます。
収納ケースにはゆとりを持たせ、防虫剤は衣類の上に置くのが基本です。
これは、防虫剤の成分が空気よりも重く、下へ広がる性質があるためです。
ニットの洗濯を
クリーニングへ任せる
5つの判断基準
ニットを自宅で洗うか、クリーニング店に任せるかは、次の5つの基準で判断してみてください。
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| 判断項目 | 自宅でOK | クリーニング推奨 |
|---|---|---|
| 洗濯表示 | 桶マークあり | 桶に×印 |
| 素材 | アクリル・コットン中心 | カシミヤ・アンゴラ・シルク |
| 価格帯 | 1万円未満の普段着 | 高価なブランド・大切な一着 |
| 汚れ | 軽い汗・皮脂 | シミ・油汚れ・広範囲の汚れ |
| 装飾 | シンプル | ビーズ・刺繍・革コンビ |
1つでも「クリーニング推奨」に該当する項目があれば、無理をせずプロにお任せいただくのが安心です。
ニットは一度洗濯で失敗すると元に戻らないことが多い衣類だからです。
クリーニング店では、水を使うウェットクリーニングと、有機溶剤を使うドライクリーニングを素材に応じて使い分けることで、ニットの風合いを保ったまま汚れを落とすことができます。
名鉄クリーニングの
ニットケアサービス
|愛知エリア対応
名鉄クリーニングでは、愛知県全域を対象に、ニットやセーターの集配クリーニング・保管サービスを承っております。
- 集配クリーニング(往復送料0円・愛知県全域対応):
ご自宅まで集荷にお伺いし、クリーニング後はそのままお届けします - 衣類保管サービス:
シーズンオフのニットを最適な温度・湿度でお預かりし、次の冬までクローゼットをすっきり保てます - ウェットクリーニング・しみ抜き対応:
水洗い不可表示のデリケート素材も、風合いを保ちながらお手入れいたします
「お気に入りの一着を長く着たい」「衣替えで収納に困っている」という方は、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問(FAQ)
ニットの洗濯について、お客様からよくいただくご質問にお答えします。
Q1. セーターは
何回着たら洗うべきですか?
アウターとして着る場合は3〜5回ごと、肌に直接触れて着る場合は毎回が目安です。
洗いすぎは生地を傷めますが、汗や皮脂が残ったまま放置すると虫食いや黄ばみの原因になります。
着ない日のブラッシングや陰干しで清潔を保つと、洗濯頻度を抑えられます。
Q2. ウール100%のニットを
自宅で洗っても大丈夫ですか?
洗濯表示に桶マークまたは手洗いマークがあれば自宅で洗えます。
ただし水・摩擦・熱に弱いため、必ず30℃以下のぬるま湯で中性洗剤を使い、手洗いまたは洗濯機のおしゃれ着コースで洗ってください。
不安な場合はクリーニング店にお任せいただくのが安心です。
Q3. 「おしゃれ着コース」と
「手洗いコース」は
どちらが安全ですか?
メーカーや機種によって水流の強さが異なりますが、一般的には手洗いコースの方が水流が弱い機種が多いです。
取扱説明書で水流の強さを確認し、より弱いコースを選んでください。
デリケートな素材は手洗いがもっとも安全です。
Q4. 縮んでしまったニットは
元に戻せますか?
軽度の縮みであればヘアトリートメントを溶かしたぬるま湯につけ置きし、平干ししながら手で元のサイズに整えることで改善する場合があります。
ただし完全には戻らないケースが多く、フェルト化が進行した場合は元に戻すのが困難です。
深刻な縮みはクリーニング店にご相談ください。
Q5. 水洗い不可マークでも
クリーニング店なら洗えますか?
はい、洗えます。
クリーニング店では水洗いの代わりにドライクリーニング(有機溶剤を使用)でお手入れできます。
さらに、水洗い不可表示のデリケート素材でも、専門技術のウェットクリーニングで風合いを保ったまま洗える場合があります。
お気軽にご相談ください。
まとめ|ニットは
「素材を知って優しく洗う」
が長持ちのコツ
ニットを縮ませず長持ちさせるためのポイントを振り返ります。
- 洗濯表示と素材を確認:
桶に×なら自宅NG、ウール・カシミヤは手洗いが安心です - 30℃以下・中性洗剤・摩擦ゼロ・脱水短時間:
この4つを守れば縮みは大きく防げます - 頻度はアウター用なら3〜5回ごと:
毎回洗わず、着用後のブラッシングや陰干しなど日常のお手入れで清潔を保ちます - しまい洗いは必須:
一度しか着ていなくても汗や皮脂が残っていれば虫食いの原因になります - 迷ったらプロに相談:
高価な素材や水洗い不可の表示があれば無理せずクリーニング店へ
正しいケアでお気に入りのニットを、来年もまた気持ちよく袖を通せる一着にしていきましょう。
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