着物の正しい洗い方とは?専門店でクリーニングする場合の値段も解説

2025.05.09

着物の正しい洗い方とは?専門店でクリーニングする場合の値段も解説

着物には繊細な素材が使われているものも多く、誤った方法で洗濯すると生地が傷む恐れがあります

自宅で着物を洗う際は、必ず洗濯できるかどうかを確認し、洗濯が難しい場合はクリーニング専門店の利用をおすすめします。

本記事では、着物の正しい洗い方と、クリーニング専門店を利用すべきケースについて解説します。

着物を自分で洗うことはできる?

着物を自分で洗うことはできる?

着物はさまざまな素材で作られており、自宅で洗える着物もあります。

たとえば、ポリエステルなどの化学繊維で作られた着物は比較的洗いやすく、家庭での洗濯が可能です。

一方、絹やウールの着物は繊維が繊細であるため、自宅で洗えないものが多いです

自宅で洗える場合でも、ほかの洗濯物と一緒に洗うのは難しく、手洗いが推奨されるものもあるため、着物ごとに適切な方法で洗濯することが求められます。

刺繍や金箔加工が施された着物は、洗濯によって風合いが損なわれることがありますので、専門店でクリーニングするのが安心です

また、アンティーク着物や特殊な染めが施されたものは、洗うことで変色や縮みが起こる可能性があるため、自宅での洗濯は避けたほうがよいでしょう。

なお、着物の裏側には洗濯表示のタグが付いていますので、記載された情報を参考に、自宅で洗濯できるかどうかを判断してください。

衣類の「取り扱い表示」

出典:新しい洗濯表示(消費者庁)

着物の種類と洗う際の注意点

着物の種類と洗う際の注意点
着物の代表的な素材である正絹・化学繊維・木綿ごとに、特徴と適切な洗い方を解説します。

正絹(シルク)

 
正絹(シルク)は、高級感があり、しなやかで美しい光沢を持つ素材です。

しかし、非常にデリケートで、水や摩擦に弱く、水に濡れると風合いが損なわれる恐れがあります。

そのため、基本的には正絹の着物を自宅で洗濯するのは避け、専門店でクリーニングすることが推奨されます。

外出中に汚れた場合は、乾いた柔らかい布で軽く拭き取る程度にとどめ、シミがついた際は、すぐに専門店へ相談し、染み抜きなどの対応を依頼してください。

化学繊維(ポリエステルなど)

 
ポリエステルなどの化学繊維で織られた着物は、比較的丈夫で、シワになりにくい特徴があります。

撥水性を持つものもあり、ほかの素材に比べると手入れがしやすいため、自宅で洗濯できるものも多いです。

ただし、自宅で洗濯する際は、洗濯ネットに入れるなど、洗い方には気を付けてください。

乾燥機が使用不可となっているものも多いため、洗濯後は陰干しで乾燥させてください。

木綿(コットン)

 
木綿の着物は、吸湿性が高く、通気性に優れている特徴があります。

しっかりとした生地感があり、耐久性も高いため、自宅で洗濯できる種類もありますが、やさしく洗わないと生地が傷んでしまいます。

ほかの洗濯物と一緒に洗濯機で洗うのは難しく、乾燥機を使用すると縮む可能性があるため、自然乾燥が推奨されます。

また、洗濯後の着物にはシワがつきやすいので、形を整えてから干すようにしてください。

自宅で着物を洗濯する場合に
必要なもの

自宅で着物を洗濯する場合に必要なもの

着物を自宅で洗濯する際は、生地を傷めることなく汚れを落とす必要があるため、一般的な衣類を洗うよりも用意すべき道具は多いです。

着物を洗うために準備する道具

 
着物を洗うときは、次の道具を用意してください。

  • ・中性洗剤(おしゃれ着用)
  • ・洗濯ネット(洗濯機で洗う場合)
  • ・洗濯桶(手洗いする場合)

 
着物は繊細なため、洗剤は普段使っているものではなく、おしゃれ着用の中性洗剤を使用します

化学繊維の着物であれば、一般的な衣類用洗剤を使用できる場合もありますが、漂白剤や強い洗浄力のある洗剤は色落ちなどの原因となるので、使用を避けるのが望ましいです。

洗濯ネットは摩擦によるダメージを軽減し、生地を守るために必要ですので、洗濯する際は、着物用の大きなサイズを用意してください。

洗濯機で洗えない着物は手洗いすることになるため、つけ置き洗いやすすぎ洗いができる程度の大きい洗濯桶が必要になります。

洗濯後の着物を乾燥・収納する際に準備する
道具

 
着物を自宅で洗濯した後は、次の道具を使用して乾燥・収納を行います。

  • ・着物用ハンガー、突っ張り棒
  • ・バスタオル
  • ・アイロン(低温調整可能なもの)
  • ・乾燥剤、防虫剤

 
着物は洗濯だけでなく、干し方にも注意が必要です。

洗濯後の着物は、バスタオルで優しく水分を吸い取り、型崩れを防ぎましょう。

脱水機を使用する場合は、長時間の運転を避け、短時間で軽く水を切る程度にとどめるのがポイントです。

多くの着物は乾燥機を使用できないため、陰干しで自然乾燥させます

風通しの良い場所で干さないと乾きにくいため、直射日光を避け、吊るして乾かしてください。

干す際は、着物用ハンガーや突っ張り棒を使用すると、シワや型崩れを防ぐことができます。

乾燥後にシワが気になる場合には、低温のアイロンを使用し、きれいに仕上げましょう

アイロンをかける際は必ず当て布を使い、生地が直接熱に触れないよう注意してください

着物を収納する際は、湿気や虫害を防ぐため、乾燥剤や防虫剤を併用すると、長期間きれいな状態を保てます。

着物を自宅で洗濯する際の正しい
手順

着物を自宅で洗濯する際の正しい手順
着物を長く美しい状態に保つためには、適切な方法で洗うことが重要です。

洗濯機を使用する際の手順・ポイント

 
洗濯機で洗える着物でも、手順を誤ると色落ちや型崩れが起こるので気を付けてください。

色落ちの確認

 
ポリエステルなどの化学繊維は洗濯機で洗えることが多いですが、一般的な洗剤では色落ちする可能性があるため、おしゃれ着用の中性洗剤を使用してください。

ただし、中性洗剤でも色落ちする場合があるため、洗う前に着物の目立たない部分に洗剤を塗布し、色移りしないか確認しましょう

洗剤を塗布した部分を白いタオルで軽く叩き、色が移った場合は、着物を自宅で洗うのが難しいため、クリーニングに出すことを検討してください。

洗濯機で洗う

 
洗濯機で洗う際は、着物を必ず洗濯ネットに折りたたんで入れ、洗濯表示に従って適切な洗濯コースを設定してください。

脱水は短時間で行い、洗濯機から取り出した後は、強く絞らずにタオルで水分を吸い取りましょう。

着物を干す

 
着物は直射日光に当てると色焼けする可能性があるため、風通しの良い場所で陰干ししましょう

干す際は、着物専用のハンガーや突っ張り棒を使用し、シワを伸ばしながら吊るしてください。

アイロンがけ

 
乾燥後にシワが気になる場合は、低温のアイロンで丁寧に伸ばします。

アイロンをかける際は、必ず当て布を使い、生地が直接熱に触れないよう注意してください。

なお、アイロンが使えない着物もあるため、使用可能な場合でも刺繍部分へのアイロンがけは避けましょう。

手洗いする際の手順・ポイント

 
正絹などの素材を使用した着物は、手洗いが推奨されるものが多いです。

色落ちの確認

 
手洗いする場合も、洗濯前に色落ちしないか確認してください。

中性洗剤を着物の目立たない部分に塗布し、色移りがないかチェックします。

白いタオルに色が移った場合は自宅での洗濯を中止し、専門店にクリーニングを依頼してください。

つけ置き洗い・押し洗い

 
つけ置き洗いをする際は、まず洗濯桶に中性洗剤を溶かした水を準備し、着物を10分程度浸します。

水温が高いと色落ちする可能性があるため、洗濯表示で上限温度を確認してください。

つけ置き後は、着物をやさしく押し洗いします。

もみ洗いやこすり洗いは繊維を傷めるため、避けましょう。

押し洗いの後は、新しい水で数回すすぎ洗いを行い、バスタオルで優しく水分を吸い取ってください。

着物を干す

 
着物は陰干しが基本となるため、直射日光の当たらない風通しの良い場所で乾かします。

着物専用のハンガーを使用すると、形を崩さず美しく仕上げることができます。

アイロンがけ

 
熱に弱い素材が含まれている場合、アイロンがけは適しません。

そのため、洗濯表示を確認し、アイロンが使用可能かどうかを確かめてください。

アイロンがけが可能な着物でも、スチームモードは避け、低温で当て布をしながら丁寧にシワを伸ばしてください。

着物の襟や袖口の汚れを取る方法

 
襟や袖口は、着物を着るたびに汚れが蓄積されやすい部分です。

汗による汚れは中性洗剤で落とせますが、ファンデーションや食べこぼしなどの油性汚れは、クレンジングオイルを使うと効果的です。

洗剤を使用する際は、目立たない部分に少量をつけ、色落ちや生地への影響がないか確認してください。

ただし、絹などの素材にはクレンジングオイルを使用できないため、汚れが気になる場合は専門店でクリーニングするのが望ましいです。

部分的な汚れを落とす場合は、綿棒や柔らかい布に洗剤を含ませ、汚れた部分に優しく塗布しましょう。

こすらず押し当てるようにして汚れを浮かせ、水で軽くすすぎます

洗濯後は乾かす前に汚れを再確認し、完全に落ちない場合はクリーニング店に相談してください。

着物を収納する際の注意点

 
着物を収納する際は、汚れを落とし、十分に乾かしてからしまいましょう

着物は正しくたたみ、「たとう紙」に包んで保管します。

収納場所に詰め込みすぎると型崩れや刺繍が損傷する可能性があるため、引き出しの上部に数センチの余裕を持たせるのがポイントです。

また、湿気を防ぐために乾燥剤、虫食い対策として防虫剤を入れてください。

着物をクリーニングに出した方が
いいケース

着物をクリーニングに出した方がいいケース

着物は非常にデリケートなため、汚れの種類や素材によっては専門店でのクリーニングが必要です。

自宅で洗えない素材が使用されている

 
正絹の着物は水に弱く、家庭での洗濯では縮みや変色のリスクが高いため、専門店でのクリーニングが望ましいです。

刺繍や金箔が施された着物も、水洗いによって装飾が剥がれたり、色が褪せる恐れがあるため、クリーニングに出すことをおすすめします。

長い間収納されていた着物

 
長年保管されていた着物は、見た目に汚れがなくてもカビや黄ばみが発生していることがあります。

染み付いた汚れを自宅で落とすのは難しく、頑固な汚れは染み抜き作業が必要です。

また、結婚式や成人式などの特別な場で着用する振袖や留袖は、着用後に汗や皮脂、ファンデーションによる汚れが付着しやすいです。

そのため、着物をしばらく着なくなる場合には、クリーニングで丁寧に洗浄してから収納してください。

汚れやシミがひどい場合

 
着物に目立つ汚れやシミが付いた場合は、応急処置を施した上でクリーニングに出しましょう。

自宅で洗える素材の着物であれば、汚れに応じたクリーナーを使って落とすこともできますが、強力なクリーナーは色落ちのリスクがあります。

また、汚れを無理に落とそうとすると生地を傷める恐れがあるため、専門店にクリーニングを依頼するのが最善です。

時間が経って定着したシミも、自宅での処理だけでは完全に落とせませんので、クリーニング業者に相談し、適切な方法で取り除いてください。

着物の種類別クリーニング料金の
相場

着物の種類別クリーニング料金の相場

着物のクリーニング費用は、素材や種類によって大きく異なります。

化学繊維や木綿の着物のクリーニング費用は、3,000円〜7,000円が相場です。

訪問着や振袖などの正絹の着物は、一般的に5,000円〜15,000円程度とされています。

刺繍や豪華な装飾が施された着物は、専門的な処理が必要となるため、クリーニング費用が10,000円〜20,000円になることもあります。

帯や長襦袢などの付属品をクリーニングする場合は、着物とは別扱いとなることが多いです。

また、染み抜きも別料金が発生することがあるため、事前に追加料金の有無を確認してください。

着物のクリーニング費用はクリーニング店によって異なるため、対応可能かどうかだけでなく、料金も比較検討しましょう

自宅で洗えない着物は
名鉄クリーニングにお任せ

自宅で洗濯できない着物や、洗い方がわからない着物は、名鉄クリーニングにお任せください。

名鉄クリーニングでは、色落ちや型崩れを防ぐ「石油ドライ機」や「全自動洗濯機」を使用し、自宅で洗えない着物も美しく仕上げます。

ドライクリーニングは、すべてに抗菌・消臭衛生加工を施すため、収納前にクリーニングに出すのもおすすめです。

部分的なシミが気になる場合は、シミの大きさに応じた染み抜き(有料)をオプションで追加できます。

また、名鉄クリーニングでは、「集配クリーニング」を実施しています

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