洗剤を使って洗濯しているのに加齢臭がなかなか取れず、困った経験はないでしょうか。
洗濯のしかたは汚れの種類だけでなく、染み付いた臭いごとに工夫するのがポイントで、個別対処を行えばガンコな加齢臭も取り除くことができます。
本記事では、加齢臭の洗濯方法と加齢臭対策のポイント、そして加齢臭が取れない場合の対処法について解説します。
加齢臭とは
加齢臭は、一定以上の年齢になった人から出る臭いです。
中高年の男性から出るイメージがあるかもしれませんが、女性でも気を付けないと加齢臭がするようになるのでご注意ください。
加齢臭の原因は「ノネナール」
加齢臭はノネナールという物質が原因とされており、古本や古い油、食べ物が腐ったような臭いがすることから、周囲に不快感を与えます。
ノネナールは化粧品メーカーの資生堂が1999年に発見した物質で、加齢臭の原因が特定されたのは比較的最近です。
人間の体には無数の皮脂腺がありますが、年齢を重ねると皮脂から出る成分に脂肪酸の一つである「パルミトレイン酸」が含まれるようになり、パルミトレイン酸と過酸化脂質が結びつくことでノネナールが発生します。
皮脂が過剰分泌されるようになると加齢臭が強くなることから、男性ホルモンが活発である男性の方が加齢臭が出やすいです。
女性は男性に比べると皮脂分泌量が少ないため、加齢臭が出にくいとされています。
しかし、分泌量が少ないだけで、対策をしないと加齢臭を感じるようになるので気を付けてください。
加齢臭が衣類に付着する原因
加齢臭が衣類に付着するのは、皮膚と衣類が接触するからです。
ノネナールが分泌される皮脂腺は体中にありますが、頭部から首元は皮脂腺が多い場所なので、首に直接接触するワイシャツなどの衣類は加齢臭が付着しやすいです。
また、ワイシャツは仕事で長時間着用するので臭いが付きやすく、加齢臭はストレスが増加すると強くなるとされていますので、仕事着がスーツの方はスーツに加齢臭が溜まりやすい点にも注意してください。
衣類に付着した加齢臭は落ちにくい
洗濯しても加齢臭の臭いがなかなか取れないのは、加齢臭が皮脂汚れやタンパク質汚れとして衣類に付着するからです。
汚れを落とさない限り加齢臭を取り除くことはできませんが、皮脂汚れはワイシャツの黄ばみでわかるように、洗濯しても落とすのが難しい汚れの一つです。
タンパク質汚れについても、洗い方を工夫しないと完全に落とすのは大変ですので、普段の洗濯のしかたで加齢臭を取り除くことができない場合は、次にご紹介する加齢臭を落とす洗い方を試してください。
なお、ご紹介する洗い方をしても加齢臭が消えないときは、クリーニングに出してください。
40代から必須!加齢臭の洗濯方法
40代は加齢臭が気になるようになる年齢です。
衣類に付着した加齢臭を洗濯しても取れないと感じた方は、通常の洗濯をする前にひと工夫してください。
加齢臭の洗濯手順
加齢臭が付着した衣類は、つけ置きで洗うことになりますので、洗濯する際は以下のものを用意してください。
- ・洗濯桶
- ・ぬるま湯
- ・アルカリ性の洗剤
- ・酸素系漂白剤
- ・洗濯ネット
加齢臭対策の洗濯は、通常の洗濯の前処理として行います。
- ・洗濯桶に40℃程度のぬるま湯を入れる
- ・酸素系漂白剤とアルカリ性の洗剤を入れて混ぜる
- ・衣類を入れ、30分程度つけ置きする
- ・衣類を洗濯ネットに入れ、洗濯機で洗う
酸素系の洗剤は40℃程度で使用すると効果が大きくなりますので、皮脂汚れを落とす際は水ではなく、ぬるま湯を準備するのがポイントです。
つけ置きをすることで衣類に付着した汚れが浮きますので、つけ置きしてから30分経過しましたら、通常の洗濯と同様の方法で衣類を洗います。
使用する洗剤はアルカリ性
洗剤にはアルカリ性・中性・酸性があり、汚れの原因等によって使用する洗剤を変えると汚れが落ちやすくなります。
加齢臭の原因となる皮脂汚れやタンパク質汚れは、アルカリ性の洗剤を使用すると汚れが落ちやすいです。
ただし、衣類によってはアルカリ性洗剤が使用できない種類もあり、洗剤の使い方を間違えると生地にダメージが入りますので、事前に衣類の洗濯表示を確認してください。
洗濯する際に中性洗剤の使用が推奨されていることが多いのは、中性洗剤は生地にダメージが入りにくいからですが、加齢臭などのガンコな汚れ・臭いについては中性洗剤では落ちない可能性があります。
そのため、アルカリ性洗剤の可否で洗濯物を分けていただき、使用できる衣類についてはアルカリ性洗剤で洗ってください。
漂白剤は酸素系を使用すること
漂白剤は殺菌や黄ばみを除去する際に使用しますが、加齢臭を落とす際は酸素(酵素)系の漂白剤を使います。
使用する際は記載されている注意書きを確認するのはもちろんのこと、つけ置きする際はアルカリ性洗剤と混ぜて使用することになりますので、塩素系漂白剤は厳禁です。
間違えて塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると塩素ガスが発生して大変危険ですので、あらかじめ漂白剤と洗剤の成分も確認してください。
洗濯機で洗う際は洗濯ネットを使用すること
つけ置きが終わりましたら、衣類を洗濯機で洗っても大丈夫です。
他の衣類と一緒に洗濯しても問題ありませんが、加齢臭対策で考えると使用する洗剤はアルカリ性が望ましいため、アルカリ性洗剤が不可となっている衣類とは分けて洗うようにしてください。
洗濯機に直接衣類を入れると衣類同士がぶつかり、摩擦が発生してしまいますし、摩擦は生地が傷む原因となりますので、ワイシャツを洗濯する際も洗濯ネットを使用するのがオススメです。
洗濯ネットには糸くずが付着することを防げるだけでなく、毛玉ができるのを抑える効果も期待できます。
ワイシャツは他の洗濯物と絡まることでシワができてしまいますが、洗濯ネットに入れれば他の衣類と絡まらないため、シワができにくいです。
加齢臭を取り除くための対策は?
加齢臭は洗濯のしかただけでなく、普段の生活から対策をすることができます。
食事の見直しで加齢臭の分泌量を減らす
加齢臭は年齢を重ねることで発生しやすくなるため、完全に防ぐことは難しいですが、食生活を見直すことで加齢臭が発生する量を抑えることは可能です。
加齢臭の原因となる酸化は動物性脂肪を取り過ぎると悪化しますので、摂取量を抑えることも加齢臭対策の一つです。
動物性脂肪の代表的なものとしては、肉類やラード、チョコレートなどがあり、乳脂肪が使用されている洋菓子などにも含まれています。
動物性脂肪を完全に断つことは難しいため、加齢臭が気になる方は摂取する量を減らしていただき、加齢臭が弱くなるかチェックしてください。
ストレスも加齢臭が増加する原因
適度なストレスは体にとっていいものですが、過度なストレスは活性酸素が増加し、加齢臭が強力になります。
加齢臭が強くなれば、それがストレスとなってしまいますので、悪循環を断ち切るためにもストレスを溜め込まないような工夫が必要です。
ストレスを軽減するためには、バランスのいい食事・適度な運動・十分な睡眠といった基本的なことを守ることが大切です。
加齢臭が発生する量が少なくなれば個別に洗濯をする回数も減りますので、加齢臭対策を機に生活習慣を見直すことも検討してください。
着用した衣類はすぐに洗濯する
洗濯機で洗う場合、脱いだ服は一旦専用のバスケット(洗濯かご)に入れてください。
衣類に付着する雑菌は汗などが主な原因であり、洗濯するまでの間にも雑菌は繁殖します。
洗濯槽は雑菌が増えやすい多湿の環境が整っているため、汗が付いた衣類を洗濯機に直接入れて放置すると雑菌が繁殖し、洗濯しても臭いが落ちにくくなります。
そのため、汗や雨で濡れた衣類は一旦衣類専用のバスケットに入れるなどして、雑菌が繁殖しにくい環境をできるだけ作ってください。
加齢臭が気になる部分を重点的に洗う
洗濯物に付いている臭いや汚れは、特定の場所に集中していますので、臭い・汚れが目立つ場所については前処理を行ってください。
首元や脇などの気になる箇所に洗剤を塗るなどしていただき、加齢臭が取れない場合には、先にご紹介した加齢臭の洗い方を実践するなど、状況に応じた対策が必要です。
加齢臭以外でも、肌に接触している部分は皮脂汚れが目立つようになりますので、洗濯前に汚れの状況を確認してください。
- ・襟
- ・裾
- ・袖口
- ・肩
- ・ポケットの入り口
生乾きも臭いが発生する原因
洗剤を使って洗ったとしても、洗濯物が十分に乾燥していないと生乾き臭が発生することがあります。
生乾き臭の原因は雑菌であり、生乾きの状態は雑菌が繁殖するのに適した環境なので、洗濯した衣類は完全に乾かさなければいけません。
生乾きの状態が5時間以上になると雑菌が繁殖しやすくなるとされているため、部屋干しした洗濯ものから臭いがする場合は、乾燥までに時間がかかり過ぎていることも考えられます。
なお、部屋干しで乾燥させるにはどうしても時間がかかりますので、乾燥機や除湿器を使用して乾かすか、クリーニングに出して洗濯から乾燥までお任せすることも検討してください。
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