ワイシャツなどの衣類は、シワがあるだけで見た目が悪くなってしまうので、洗濯後はアイロンをかけ、シワを伸ばす必要があります。
ただ間違ったアイロンのかけ方ではシワを伸ばすことはできませんし、衣類ごとに設定されている温度を無視すると生地が傷んでしまいますので、本記事でアイロンのかけ方と、キレイに仕上げるためのコツをご紹介します。
アイロンをかけるときに必要なもの
アイロンがけをする場合、次のものを用意してください。
- ・アイロン
- ・アイロン台
- ・霧吹き
- ・スプレーのり(用途に応じて)
- ・当て布(用途に応じて)
アイロンにはドライアイロンとスチームアイロンがあり、ワイシャツのアイロンがけは基本的にドライアイロンを使用します。
アイロン台はアイロンをかけやすいように設計された道具ですので、アイロンがけに慣れていない方はアイロン台を用意してください。
アイロン台が無い方は、バスタオルなどアイロン台の代わりとして使用することも可能です。
ただアイロン台を使わずにキレイに仕上げるのは難しいですし、ワイシャツはアイロン台の角を利用して仕上げますので、日常的にアイロンをかけるのであれば用意した方がいいでしょう。
霧吹きは、アイロンがけをする衣類を湿らすために使用します。
乾いている衣類にアイロンをかけてもシワが上手く伸びませんし、スチーム機能の水は粒子が細かいので、生地によっては水分が十分に付着しないこともあるため、霧吹きについても用意するのが望ましいです。
スプレーのりは、ワイシャツの襟などをキレイに仕上げるために用います。
アイロンと霧吹きだけでもワイシャツをアイロンがけできますが、ワイシャツをパリっと仕上げたいときはスプレーのりを使うと仕上がりが良好になるので、お好みで用意してください。
当て布は、デリケートな生地にダメージを与えないようにするために使用します。
ご自宅にある薄い綿素材を当て布として使うことができますので、使わなくなったハンカチなどを活用してください。
アイロンをかけるときのポイント
アイロンには正しいかけ方があるため、基本的な操作方法やポイントを知っていないとシワがキレイになりませんし、アイロンがけに時間がかかってしまいます。
衣類ごとに洗濯表示を確認
衣類に記されている洗濯表示には洗濯方法だけでなく、アイロンの温度などについても表示されています。
ほとんどのアイロンは温度設定ができますので、アイロンがけをする衣類ごとに温度を調整してください。
アイロンの設定温度を間違えてしまうと、シワが伸びないだけでなく、生地が焦げたり溶ける原因となります。
洗濯表示では、アイロンマークの中の「・」の数で温度を表しています。
「・」が一つのものは110℃を限度とするもので、アイロンがけをする際はドライアイロンを使用してください。
「・」が二つのものは150℃、「・」の三つのものは200℃が上限温度です。
アイロン仕上げの記号に「×」が表示されている衣類は、アイロンがけはできないため、アイロンを使ってのシワ伸ばしは厳禁です。
主な生地ごとの設定温度は下記の通りですが、同じ生地でも衣類によって洗濯表示が違うこともありますので、アイロンがけをする際は衣類に付いている洗濯表示の内容を確認してください。
<洗濯表示のアイロンマークの分類>
アイロンマーク | 温度上限 | 主な生地 |
---|---|---|
「・」 (旧「低」) |
110℃ | ・アクリル ・ポリウレタン ・アセテート |
「・・」 (旧「中」) |
150℃ | ・毛(ウール) ・絹 ・ナイロン ・ポリエステル ・キュプラ ・レーヨン |
「・・・」 (旧「高」) |
200℃ | ・綿 ・麻 |
「×」 | 使用不可 | ・楊柳(ようりゅう) ・ファー |
アイロンは真っすぐに動かすこと
アイロンの先端が尖っているのは、先端を起点としてシワを伸ばせるからであり、アイロンを横に使ってしまうと上手くシワが伸びません。
ジグザグに動かす場合も変な方向にシワが伸びてしまい、目立つ場所にシワが集中してしまうことがあるので、アイロンは先端部分から真っすぐに動かしてください。
また、アイロンがけをしている最中に衣類がズレてしまうとシワが残ってしまうため、アイロンを持っていない手で衣類を押さえるのもポイントです。
ドライ設定とスチーム設定の確認
アイロンにはドライ設定とスチーム設定がありますので、アイロンがけをする生地等によって使い分けてください。
ドライ設定は一般的なアイロンがけをする方法で、ワイシャツなどをビシッと仕上げたい場合に使用します。
シワがしっかり残っている衣類でも、ドライアロンであればキレイに仕上がりますが、生地の種類ごとに設定温度を確認してください。
スチームアイロンは、アイロンのタンクにある水を水蒸気として噴射し、シワを伸ばしながらアイロンを伸ばす方法です。
デリケートな生地に用いることが多い方法で、ハンガーにかけながらアイロンがけをできるのも利点です。
スチームアイロンの注意点としては、アイロンを強く押し当てて仕上げるわけではないので、シワがしっかり入っている場合はシワを伸ばしきれないことがあります。
生地によってはスチームアイロンが不可の種類もありますので、その際はドライ設定でアイロンがけをしてください。
ワイシャツをアイロンがけする際の順番は?
ワイシャツをアイロンがけする場合、アイロンをかける順番も大切です。
アイロンがけをすると、アイロンをかけた場所の左右にシワが寄り、最初にアイロンがけした場所にシワが最終的に集まりますので、目立たない場所からアイロンがけするのがポイントです。
襟(えり)
襟をアイロンがけする際は霧吹きで水をかけた後、裏側からプレスします。
シワを取るためには、アイロンを持っていない方の手でワイシャツが弛まないように押さえながら、アイロンをかけるのがコツです。
左右から中央に向かってアイロンがけをすると、先端までキレイにシワを伸ばせますし、裏側の中央にシワが集まったとしても外からは見えません。
裏側が終わりましたら、同様の方法で表側をプレスしてください。
袖口・袖(そで)
袖口は、ボタンを外して内側からアイロンがけを行います。
ボタンがある方を表面にして、アイロン台に置くとアイロンをプレスしやすいです。
袖は脇にある縫い目を揃えてアイロンがけすると美しく仕上がりますので、霧吹きをかけた後に袖の弛みを整え、縫い目のラインを維持しながら袖から肩の方にアイロンをかけてください。
袖の裏側もアイロンがけができましたら、同様のやり方でもう一方の袖もアイロンがけを行います。
首元・肩
ワイシャツの肩はアイロンをかけにくいため、アイロン台の端を利用してプレスします。
アイロン台の先端が尖っている場所にワイシャツをかけ、シワにならないようワイシャツを引っ張ってください。
ワイシャツの肩口は立体的に作られていますので、アイロン台を使っても上手くプレスできないときは、ワイシャツの中にタオルを入れることでアイロンがけがしやすくなります。
霧吹きをかけた後、首元から肩にかけて順番にプレスし、終わりましたら反対側の首元から肩にかけてアイロンがけしてください。
前身頃(まえみごろ)と後身頃(うしろみごろ)
身頃(みごろ)は、襟・袖・おくみを除いた衣服の前面・背面を覆う部分をいい、アイロンがけを行う際は、最後に前身頃と後身頃をプレスします。
アイロンがけの基本である、一番目立つ場所を最後に仕上げるルールに従って、前身頃(ボタン側)⇒後身頃(背中側)⇒前身頃(ボタンホール側)の順番でプレスしてください。
前身頃は面積が広いため、アイロン台にワイシャツの半分をのせてプレスし、ボタンとボタンの間のシワは、アイロンの先端を使って細かくプレスします。
後身頃はシワが残ってしまうと目立ちますので、ワイシャツを手で引っ張りながら丁寧に伸ばすのがポイントです。
ボタンホール側は、ワイシャツのボタンを閉めたときに手前になるので最後に仕上げます。
アイロンがけをする前に霧吹きでワイシャツに水をかけることになりますが、水が不十分だとシワが思うように伸びませんので、シワが伸びにくいと感じたらその都度霧吹きをかけ、再びプレスしてください。
シワを伸ばすなら洗濯物の干し方も見直そう!
ワイシャツなどのシワを伸ばす場合、アイロンがけのやり方だけでなく、洗濯や洗濯後の干し方も見直してください。
シワを伸ばすためには洗濯方法も重要
ワイシャツは洗濯した際に沢山のシワができますので、そのままの状態で干せばシワが付いたままになってしまいます。
干す段階でシワを取り除けていれば、生地によってはアイロンがけをしなくても大丈夫な程度にシワが消えていることもありますし、シワが気になる部分だけアイロンがけをするなど、時間短縮効果も得られます。
ワイシャツを洗う際は、必ず洗濯ネットに入れてください。
洗濯ネットに入れないと洗濯物同士が絡まることでシワができる可能性や、擦れることで生地が傷んでしまうことがあります。
ワイシャツごとに洗濯ネットに入れれば、ワイシャツが絡まる心配は無くなり、ある程度畳んで入れることで洗濯によるシワを最小限にできますので、洗う際にひと手間加えてください。
洗濯後はすぐに干すこと
洗濯して脱水が完了しましたら、すぐにワイシャツを干すようにしてください。
ワイシャツは比較的乾きやすい衣類ですが、乾くのが早ければその分だけ付いたシワが取りにくくなります。
脱水をかけ過ぎるとワイシャツの水分が抜け落ち、干す前にシワを取り除けなくなるため、ワイシャツのみを洗うときは脱水時間を短くするのがポイントです。
シワを伸ばしてハンガーにかけて干す
ワイシャツを干す場合はハンガーを使用するのはもちろんのこと、その段階でシワを伸ばしてください。
洗濯した後のワイシャツにはシワが付いていますので、ワイシャツの両肩をもって軽く振ってシワを伸ばし、シワが気になる部分は両側から軽く叩くようにしてシワを伸ばします。
形状記憶のワイシャツであれば、この作業をするだけでアイロンがけが不要になることもあるので、干す際は忘れずに行ってください。
アイロンがけが面倒な場合はクリーニング屋を活用
アイロンがけは自宅でもできますが、アイロンを用意できない場合やアイロンがけする時間を確保するのが難しいときはクリーニング屋を活用してください。
白系のワイシャツは皮脂汚れが目立ちやすく、重点的に洗わないと汚れが落ちません。
高価なワイシャツは繊細な生地を使用していることもあるため、自宅の洗濯で生地が傷むのを避けたい場合もクリーニングがオススメです。
シーズンの終わりやイベント等で着用前にクリーニングに出すと、衣類が長持ちするだけでなく、新品のような感覚で着ることができます。
名鉄クリーニングならお手軽簡単に最高の仕上がりに!
自宅でアイロンがけするのが面倒な場合は、名鉄クリーニングをご利用ください。
衣類を洗うのに使用する石油ドライ機は、水のかわりに溶剤を使って洗浄し、色落ちや型崩れしにくいのが特徴です。
全自動洗濯機は洗浄作用の強い洗濯方法で、温水を使って洗浄します。
デラックス加工や汗抜き加工、撥水加工などのプラスメニューも用意していますので、汚れ等に応じて洗い方や仕上げ方も変えることができます。
乾燥については、ビブラ・トンネルフィニッシャーで行い、ハンガーに掛けた衣料を蒸気で蒸しながら揺らすことでシワを伸ばし、熱風で乾燥させます。
忙しくてなかなか外出できないお客様や、外出したくないお客様につきましては、「集配クリーニング」をご活用ください。
集配クリーニングは、スタッフがご自宅まで洗濯物をとりに伺うだけでなく、クリーニングが完了した洗濯物をご自宅まで無料でお届けします。
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